ご挨拶

医学研究院附属ヒト疾患モデル研究センター/教育・研究支援センターは、九州大学における生命科学研究の「先端的研究の推進」と「若手研究者の育成・支援」を目的としています。

本センターは2006年10月に医学研究院附属のコアファシリティとして医学研究院基礎研究A棟2階に設立され、2013年の組織改編を経て現在の形態となりました。来年には創立20周年を迎えます。開設以来、医学研究院が管理運営を担いながらも、全学に門戸を開放し、多数の利用者を受け入れてきました。年間利用者数は、箱崎地区の移転完了後に減少したものの、現在も約10,000人を超えています。利用者の約半数、場合によっては過半数が医学研究院以外の部局に所属しており、本センターは九州大学全体のコアファシリティとして重要な役割を果たし続けています。近年、大学等における機器共用の施策が推進されていますが、本センターはその先駆的成功事例として、学内外から注目を集めています。  

医学研究院は、本センターに戦略的に技術職員を配置し、安定した運営と発展に努めてきました。同センターには50余りの機器が設置されており、職員はその管理だけでなく、大学院生・若手研究者向けに「基礎理論から実践までを含む講習会・テクニカルセミナー」を毎年複数回開催しています。また、「機器利用の個別実技講習会」も頻繁に実施し、高度な機器利用を支援しています。さらに、多忙な医療従事者にも利用しやすい環境を提供するため、休日も含めて24時間利用可能な体制を整えています。  

本センターの重要な課題の一つは、共焦点顕微鏡やセルソーターなど、多くの利用者を持つ基幹的な高額機器類の更新です。従来は、医学研究院の予算を基盤とし、研究環境整備事業などの全学事業からの資金を活用して更新を行ってきました。2023年度からは、医学部卒業生のご遺族のご厚意による「白石晃明基礎医学研究基金」の支援も頂いています。さらに、2024年度からは敷地内薬局の設置に伴い、医学研究院研究活性化予算による支援も加わりました。これにより、基幹機器の計画的な更新だけでなく、先進機器の戦略的・機動的な導入も可能となり、本センターは新たな発展の段階に入ろうとしています。

生命科学研究は日々進歩しており、本センターは基盤的なものから最先端のものまで多様な機器を整備し、最良の状態で研究者に提供することを使命としています。今後も、これらの活動を通じて本学の生命科学研究を力強く支えてまいります。  

ご意見・ご要望がございましたら、どうぞ遠慮なく支援センターまでお知らせください。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

2025年2月1日
九州大学 医学研究院 教育・研究支援センター室長(医化学分野・教授) 伊藤隆司




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